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バックパッカーのヨーロッパ一人旅

  • 執筆者の写真: SMCaoba
    SMCaoba
  • 6月2日
  • 読了時間: 4分

更新日:7月11日


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音楽が好きで、日々何かしらの音楽に囲まれています。

眠るときは youtube でhealing musicをBGMにして。

夕方からの仕事の残務整理の際も、PCからyoutubeで耳障りにならない、心に刺さらない平穏な音楽をBGMにしながら作業をする。

今は離れてしまったが、大学までピアノを多少かじり、大学卒業・国家試験後、医師研修を始めるまでの4−5月の約1ヶ月の間、スイス、オーストリア、ドイツ、ノルウェーをバックパックを背負って一人旅をした。今で言う卒業旅行ですね。


ヨーロッパ旅行は後にも先にもその一回だけだが、自分好みの行程で音楽中心の旅行だった。加えてアルプスとフィヨルドの旅。

国家試験の勉強の合間に、トーマスクックの時刻表を開き、自分の行きたい土地を列車で繋いで、約1ヶ月の行程を計画、併せて当時流行っていた「地球の歩き方」を参考に、宿泊場所を選定し、目的の町に到着するとまずは宿泊先を確定した。

最初に使ったのは1週間有効のスイスパス、次に1ヶ月有効のユーレイルパス。

どちらも期間内はスイスやヨーロッパ中の鉄道に乗り放題だ。


国家試験が終わると数日後には成田空港へ。

スイスエアーでチューリッヒに入った後、インターラーケンを経てグリンデルワルトへ直行。到着時は雪が降っていたが、翌日から雲が引いて目の前には、雄大なアイガー、ヴェッターホルンがそびえ立っていた。登山列車でアイガー北壁の中を通って、クライネシャイデック、ユングフラウヨッホへ。帰りはクライネシャイデックからスキーで地元のグリンデルワルトまで、延々何キロも一気に滑り降りた。


その後、オーストリアに向かった。目的地はザルツブルクとウイーン。ザルツブルクでは、映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台となった各ロケ地、宮殿を見学するツアーに入り、モーツアルトの生家を訪問、ウィーンでは「フォルクスオペラ」でモーツアルトのオペラ魔笛を聴いた。劇場には現地の留学生なのだろうか、顔見知りとおぼしき日本人同士が何人も集まっていた。私が陣取ったのはボックス席なのだが、バックパックを担いだ東洋人と一緒になってしまった同席の夫婦、私のことを胡散臭いと思っただろうか?

迷惑をかけないよう静かにマナー良く聴いた。

ウイーン郊外のハイリゲンシュタットまで路面電車で出掛け、ベートーベンが遺書を書いた家を訪問し、その後、南ドイツのミッテンヴァルト(バイオリン職人たちが住む村)、有名なノイシュバンシュタイン城のあるフユッセン、ガルミッシュパルテンキルヘンなどロマンチック街道を北上してハイデルベルク、ミュンヘン、ダッハウ、ボン(ベートーベンの生家)を訪問、さらにケルンから夜行列車で、コペンハーゲンを経由してノルウエーのオスロへ到着。雲一つ無い夕暮れの日差しが綺麗だった。オスロからは列車で壮大なフィヨルド地帯を経て、オンダルスネス、さらにバスに乗り換えてオーレスンまで足を伸ばした。

オンダルスネスまでの車中から見た断崖絶壁の雄大さは今も記憶の中に鮮明で圧倒的。

一人旅の東洋人が珍しかったのか、通り過ぎた車掌さんがパンフレットを手に戻ってきて、私にプレゼントしてくれた。


オーレスンはノルウェーの端っこ、田舎の田舎。ついに地球の果てのような、こんな所まで来てしまったか、先頃までは自分は日本人で、日本に居たはずなのだが、今の自分は別世界に放り込まれたかのようで、離人症というか、日本人の自分の存在が不明確になりそうな、不思議な感覚になった。そして、オスロから空路でチューリッヒに戻り、ベルンのユースホステルに宿泊した。その頃にはバックパックを背負って1ヶ月近くせっせと旅したせいか、疲れもあってか、ベンチでゆっくりと数日を過した。1ヶ月のユーレイルパスが既に切れていたのでもう歩くだけ。ベルンではシンボルマークがクマさんだったと思うが、(怖く無さそうな)クマさんの像が至る所に見られた。


4月の初め、スイスに入った頃は雪が降っていたのに、5月のGW後、オスロから戻ったスイスでは雪をかぶったアルプスをバックに菜の花が一面に咲いていて、まさに春爛漫の光景が今でもよく思い出される。


国家試験の合間に、すべての訪問先をトーマスクックの鉄道タイムテーブルを参考に、自分でルートを決めたのだが、受験勉強の合間の良い気休め、頭の切り替えになっており、自分の好みに従っていろいろ考えて作り上げた計画のためか、その行程、旅先の景色は今でもまだ頭の中にしっかり残っている。帰国の機中でそろそろ国家試験の結果が気になって来たのだが、結果はOK。ホッとして研修病院の宿舎に向かった。


今のようなスマホがあったら写真や動画を撮りまくるのになあ、とつくづく残念に思うのだが、ヨーロッパへ出掛けたのがこの1回だけのためか、他の記憶と交錯せずかえって鮮明なまま残っているのかも。


一方、近年ではGoogleマップのおかげで、遠い旅の記憶をあらためてパソコンの中で蘇らせることが出来そう。ピンポイントでその場所には行けなくても、ああこんな感じだったと懐かしい景色にまた出会う事が出来る。


1件のコメント


ab a
ab a
7月11日

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